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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻10号

1994年10月発行

文献概要

臨床報告

高度の結膜下出血をきたした第Ⅷ因子抑制物質による凝固障害の1例

著者: 吉筋正雄1 小島孚允1 小林淳晃1

所属機関: 1大宮赤十字病院眼科 2大宮赤十字病院内科

ページ範囲:P.1765 - P.1768

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 高度な球結膜下出血が持続したため手術的な止血を要し,諸検査の結果第Ⅷ因子抑制物質産生による凝固障害であることが判明した1症例を報告した。症例は71歳女性で,右眼球結膜下出血を主訴に来院し,止血剤および圧迫眼帯が無効で,手術的血管凝固により止血することができた。検査所見は,第Ⅷ因子活性低下,第Ⅷ因子様抗原定量正常,第Ⅷ因子抑制物質検出で,第Ⅷ因子抑制物質産生による凝固障害と診断された。免疫抑制剤およびステロイド剤の投与により,第Ⅷ因子抑制物質は消失し,出血傾向は改善した。本症例は,非ステロイド系抗炎症剤に対する薬剤アレルギーの関与が疑われる稀な例と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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