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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻10号

1994年10月発行

文献概要

臨床報告

術後の瞳孔領フィブリン膜に対する組織型プラスミノーゲンアクチベーター前房内注入

著者: 藤原恵理子1 加藤整1 林英之1 大島健司1

所属機関: 1福岡大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1771 - P.1774

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 内眼手術後の瞳孔領フィブリン膜形成に対し組織型プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)の濃度を変えて前房内注入を施行し,その結果を比較検討した。注入時期およびt-PA注入量は,術後4〜7日目に25μg/0.1ml,注入を行っているのに対し,術翌日から術後4日目に3μg/0.1ml,注入を施行した。フィブリン溶解に要する時間は両群の間に差は見られず,フィブリン完全溶解は3μg注入群が5例中4例,25μg注入群が全例にみられた。副作用は,3μg注入群ではなかったが,25μg注入群の2例に前房出血とフィブリン再析出がみられた。術後の瞳孔領フィブリン膜の溶解には,3μg/0.1ml,t-PAが副作用もなく十分なフィブリン溶解能を有し,術後早期から前房内に注入でき有用な治療法である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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