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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻10号

1994年10月発行

臨床報告

Multiple evanescent white dot syndromeのインドシアニングリーン螢光眼底造影所見

著者: 国吉一樹1 丸山耕一1 原英徳1 窪田光男1 西川都子1 松本長太1 田原恭治1 中尾雄三1 大鳥利文1 井出俊一2

所属機関: 1近畿大学医学部眼科学教室 2井出眼科医院

ページ範囲:P.1783 - P.1789

文献概要

 Multiple evanescent white dot syndromeの1例に走査レーザー検眼鏡(SLO)検査およびインドシアニングリーン螢光眼底造影を施行した。症例は30歳女性で,初診時の視力は右0.2(0.3),左1.0(n.c.)であった。右眼の眼底の後極部から赤道部にかけて白斑が散在していた。SLOではアルゴンレーザー光による観察で,眼底の白斑が検眼鏡よりも明瞭に観察された。インドシアニングリーン螢光眼底造影では造影初期から白斑に一致して多数の斑状の低螢光領域が後極部から赤道部にかけて認められ,これらは造影後期にさらに明瞭化した。視神経乳頭周囲には帯状の低螢光領域が認められた。無投薬で発症後約3週で右眼底の白斑はほぼ消失し,視力も改善した。発症2か月後のインドシアニングリーン螢光眼底造影では初診時みられた斑状の低螢光領域はほぼ消失していたが,視神経乳頭周囲の低螢光領域はモザイク状に残存していた。インドシアニングリーン螢光眼底造影でみられた斑状の低螢光領域は,障害された網膜色素上皮による背景螢光のブロックによるものと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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