文献詳細
文献概要
特集 高齢患者の眼科手術 高齢患者への麻酔
局所麻酔
著者: 春田恭照1
所属機関: 1愛媛大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.66 - P.68
文献購入ページに移動眼科手術では,ドレーピングにより顔面全体を覆うために,術中の患者の全身状態の把握が困難である。術中に患者の状態が急変して手術を中止し,あわててドレープを剥がし,救急処置を行ったという苦い経験を持つ先生方も少なくないと思う。もちろん,心電図や血圧のモニタリングは行うが,その他の状況は不明なことが多く,患者からの応答や体動で判断するしかなく,意識の覚醒を得ていることが,術者および患者にとって術中の不安感を除くために重要となる。よって,術中に患者とのコミュニケーションを残しながら,無痛(アナルゲジー)と無動(アキネジー)を得ることができる局所麻酔は,手術を安全に施行するために不可欠な要素である。
掲載誌情報