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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 高齢患者の眼科手術 高齢患者への麻酔

局所麻酔

著者: 春田恭照1

所属機関: 1愛媛大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.66 - P.68

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 高齢者のみならず,眼科手術では,全身麻酔の必要な幼・小児などを除いて,通常は局所麻酔が選択される。その目的は,意識を覚醒させたまま,知覚を司る三叉神経を麻痺させ,かつ眼輪筋を支配する顔面神経を麻痺させて瞬目を抑制すること,外眼筋を支配する動眼・滑車・外転神経を麻痺させて眼球運動を抑制することである。
 眼科手術では,ドレーピングにより顔面全体を覆うために,術中の患者の全身状態の把握が困難である。術中に患者の状態が急変して手術を中止し,あわててドレープを剥がし,救急処置を行ったという苦い経験を持つ先生方も少なくないと思う。もちろん,心電図や血圧のモニタリングは行うが,その他の状況は不明なことが多く,患者からの応答や体動で判断するしかなく,意識の覚醒を得ていることが,術者および患者にとって術中の不安感を除くために重要となる。よって,術中に患者とのコミュニケーションを残しながら,無痛(アナルゲジー)と無動(アキネジー)を得ることができる局所麻酔は,手術を安全に施行するために不可欠な要素である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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