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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻11号

1994年10月発行

文献概要

Ojo

家族・本人のへインフォームド・コンセント

著者: 木下茂1

所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.171 - P.171

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 医療の現場でインフォームド・コンセントinformed consentという言葉をよく耳にするようになった。検査,処置,手術,何をするにもインフォームド・コンセントと同意書である。しかし,インフォームド・コンセントが何のためにある概念なのかを真剣に考えている医師は案外に少ないように思われる。そして,医療事故*,医療過誤から身を守るためにあるかのような錯覚を持っている医師が多いように見受けられる。このような考え方の医師の場合,手術に関するインフォームド・コンセントは手術に伴う事故や合併症の説明になり,私なら手術を受けたくなくなるような雰囲気になることがある。
 欧米で発達したインフォームド・コンセントは,医療行為を受ける患者が,医師から必要にしてかつ充分な説明を受け,この説明に基づいてどのような診療行為を受けるかを自分で決定する権利を尊重するものである。しかし,その本来の理念は『患者が納得いくまで医師がよく説明し,医療行為を強要しない』ということである。したがって,理想的なインフォームド・コンセントは,患者の社会的背景を考慮しつつ自分を相手の立場に置き換えながら治療について充分に説明するものであり,決して医師の自己防衛手段として使用すべきものではないのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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