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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻11号

1994年10月発行

文献概要

特集 高齢患者の眼科手術 高齢患者の眼科手術 7 眼瞼・眼窩・涙道・外眼部疾患

老人性眼瞼内反症

著者: 井出醇1 猪股健一1

所属機関: 1井出眼科病院

ページ範囲:P.194 - P.196

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●老人性眼瞼内反症は,大部分が老人性上眼瞼皮膚弛緩症である。
●老人性上眼瞼皮膚弛緩症には単独のものと,老人性眼瞼下垂の合併したものとがある。
●老人性上眼瞼皮膚弛緩症の手術には重瞼を作るか,作らないかの2つ方法があり,老人では単純な皮切も魅力がある。しかし日本人には老人でも前者が勧められる。その方法は,4.7.7.mm 皮膚切開→瞼縁に向け剥離→瞼板前組織の全切除→余分な皮膚の1/2切除→aponeurosisへのU字縫合による重瞼溝作製である。また下眼瞼の老人性内反症は,痙攣性内反症のことが多く,それには,Wheeler法大木変法が長期予後にすぐれ,眼輪筋のバンドを短く作ることにより手術時間を短縮できる。短期的にはダブル・ビーズ法も勧められる。
●老人性眼瞼下垂を合併した老人性上眼瞼皮膚弛緩症の術式は,大部分老人性眼瞼下垂のそれであり,aponeurosisの露出はパクレンによる焼灼切開に勝るものはない。
●高齢者の眼瞼手術は「安全,簡単,短時間で済む」のが望ましい。しかし一方では局麻下で2〜3時間の手術も十分耐え得るので,できれば両眼同時に行うのがよい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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