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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻13号

1994年12月発行

連載 眼の組織・病理アトラス・98

シェーグレン症候群

著者: 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1922 - P.1923

文献概要

 シェーグレン症候群は,涙腺や唾液腺の慢性炎症によって乾性角結膜炎keratoconjunctivitissiccaや口内乾燥症xerostomiaを起こす原因不明の自己免疫疾患である。45〜60歳の女性に好発する。女性は男性の約10倍頻度が高い。
 本症は,全身の結合組織病,特に慢性関節リウマチ,SLE (全身性エリテマトーデスsystemiclupus erythematosus),結節性多発性動脈炎などを伴わない原発性シェーグレン症候群primarySjögren's syndromeと,全身の結合組織病に伴って発症する続発性シェーグレン症候群secondarySjögren's syndromeとに分けられる。原発性シェーグレン症候群はHLA-B8やHLA-DR3の頻度が高く,続発性シェーグレン症候群ではHLA-DR4の頻度が高い。最初は眼と口腔内の乾燥症状だけで,原発性と思われていたものが,10年以上経過して,種々の結合組織病を発症することがあるので,原発性と続発性を明確に区別できないこともある。患者の70%に抗核抗体が陽性で,50%にリウマチ因子が陽性である。近年,シェーグレン症候群の原因として,EBV (EBウイルスEbstein-Barr virus)の感染が注目されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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