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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻13号

1994年12月発行

文献概要

臨床報告

マイボーム腺からの分泌物と涙液

著者: 李三榮1 荒木かおり2 濱野孝2

所属機関: 1東大阪市立中央病院眼科 2大阪船員保険病院眼科

ページ範囲:P.1941 - P.1944

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 涙液の脂質層が厚くなると,涙液最表層の網目状構造は消失し,干渉色が観察される。今回筆者らは,正常者56例109眼およびドライアイ患者41例82眼の涙液を非接触スペキュラーマイクロスコープを用いて観察し,涙液最表層の状態と涙液量の関係について検討した。涙液最表層は脂質層の状態により4段階に分類し,涙液量はシルマーテスト第1法を用いて測定した。干渉色が著しいgrade 4の涙液量は,網目状構造のgrad 1および反射光量が増加し色調が黄色味を帯びるgrade 2の涙液量に比べて有意に低下していた(p<0.05)。涙液量が低下すると,正常な涙液交換が行われなくなり,涙液全体に占める脂質層の割合が増加すると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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