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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻13号

1994年12月発行

文献概要

臨床報告

先天前眼部ぶどう腫を呈したPeters奇形の病理組織学的検討

著者: 尾山直子1 三木恵美子1 谷野富彦1 東範行1

所属機関: 1国立小児病院眼科

ページ範囲:P.1951 - P.1955

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 先天前眼部ぶどう腫を呈したPeters奇形の病理組織を,免疫組織化学的方法も含め光学顕微鏡的,電子顕微鏡的に検討した。
 症例は2か月,男児で,両眼にPeters奇形があり,左眼は,前眼部ぶどう腫を呈していた。全身的には,顎骨形成不全,心室中隔欠損等の合併症を伴っていた。角膜穿孔のため摘出した左眼球を,組織化学的,電子顕微鏡的に検討した。角膜中央は大部分デスメ膜や内皮を欠き,虹彩は明らかでなくその裏面に一層の色素細胞をみるのみであった。一方角膜周辺部では一部にデスメ膜や内皮がみられ,前眼部の形成異常は中央部に比べて比較的軽度であった。さらに,グリコサミノグリカンに関して免疫組織化学的に検討すると,ケラタン硫酸は角膜輪部から強膜前部にかけて存在しており,その分布異常は,鋸状縁を越えた部の強膜にまで及んでいた。本症例の発生機転には神経堤細胞の遊走異常が関与していると考えられ,その範囲はかなり広汎であることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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