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マイアミ留学記・その8
私の憧れの生活
著者: 谷原秀信1
所属機関: 1京都大学
ページ範囲:P.1969 - P.1969
文献購入ページに移動そもそも学生時代に勉強嫌いで遊びほうけていた私が,研究に憧れたきっかけを思い起こすに,学生時代のあまりにも怠惰な生活を反省したことに加えて,どうも恩師の2人の影響が強いような気がします。私が研修医のときに,モーニングカンファレンスなるものがあって,土曜日の朝早くからスタッフと大学院生の一部が集まって最新の研究論文を読んでいました。皆が眠そうななかに教授がうれしそうに,にこにこして聞いているのを見て,こんなに楽しそうに毎日を暮らせるなら研究もよいなあ,と思ったのがひとつ。次に市中病院に赴任してから,臨床家として名高い部長先生が,ものすごく楽しい思い出として研究していた頃のことをいつも話してくれていたのがもうひとつ。どうもこのふたつの印象が,研究に対する私の理想像を決定づけたように思います。わが家の猫がマイアミの家の中を走り回るのを眺めていて私の理想が,①眠たくなったら寝る②眼が醒めたら猫が猫じゃらしで遊ぶように娯楽として仕事を楽しむ③お腹がへったらごはんを食べる という単純なものだと悟りました(図)。
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