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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻2号

1994年02月発行

文献概要

臨床報告

びまん性表層角膜炎の重症度の分類

著者: 宮田和典1 澤充2 西田輝夫2 三島弘2 宮本裕子2 大鳥利文3

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室 2日本大学医学部眼科学教室 3近畿大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.183 - P.188

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 びまん性表層角膜炎の重症度を,角膜病変の範囲(area),密度(density)により分類した。範囲の重症度はフルオレセインにより染色された病変部位がない場合A0,角膜の全面積の1/3未満の場合をA1,1/3以上2/3未満の場合をA2,2/3以上の場合をA3とした。また密度の重症度は,フルオレセインによる点状染色がない状態をD0,散在している状態をD1,中等度に存在している状態をD2,点状染色が隣接し密に存在している状態をD3とし,両者を合わせてAD分類とした。次に医師54名を対象とし,資料30症例のスライドを供覧し,各症例の重症度をAD分類によって判定させるアンケートを行った。アンケートの結果,角膜病変の範囲について50%以上の眼科医が同一の判定を下したスライドは30枚中29枚(97%)であった。角膜病変の密度について50%以上の眼科医が同一の判定を下したスライドは30枚中29枚(97%)であり,範囲についての分類の結果とほぼ同様であった。角膜病変の範囲と密度の両者について50%以上の眼科医が同一の判定を下したスライドは30枚中20枚(67%)であった。本分類は,びまん性表層角膜炎の臨床経過の把握や薬剤の効果判定などに有用であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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