icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻2号

1994年02月発行

文献概要

臨床報告

後房レンズ嚢内固定眼における術後前房深度の経時的変化

著者: 新井三樹1 雑喉正泰2 久野里佳2 大角五輪男1

所属機関: 1宮崎医科大学眼科学教室 2静岡市立静岡病院眼科

ページ範囲:P.207 - P.210

文献購入ページに移動
 計画的嚢外摘出術および後房レンズ(PC-IOL)移植術を施行した44眼について前房深度(以下ACD)を術前および術後10か月にわたりAモードエコーグラフィーを用いて測定した。術前に比べ術後1週目にはACDは一度有意に深くなった(危険率p<0.01)が,術後2週目には術前の値にまで浅くなる傾向を示した。しかし術後1か月目以降再び徐々に深くなり,3か月目には術前より平均0.29mm深くなり以後安定した。術後1週目の屈折値を基準とした屈折度の変化はACDが浅くなる2週目には有意に近視化したが,再び深くなって安定する3か月目には1週目の値に近づいた。このACDの変化は眼内でのIOLの前後方向の位置の変化と考えられ,白内障術後の視力安定を規制する要因のひとつに挙げられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?