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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻3号

1994年03月発行

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(1)

学会原著

C型肝炎ウイルス関連網膜症と肝機能の関係

著者: 阿部徹1 櫻木章三1 小野剛2 倉光智之2 小松眞史2 正宗研2

所属機関: 1秋田大学医学部眼科学教室 2秋田大学医学部第一内科学教室

ページ範囲:P.271 - P.274

文献概要

 C型肝炎ウイルス(HCV)関連網膜症10症例について,網膜症と血清トランスアミナーゼ値の変動の関係を検討し,網膜症の発症機序およびインターフェロン(IFN)の投与による網膜症の誘発性について考按した。10例すべてにおいて,IFN投与の有無にかかわらず,網膜症の誘発あるいは悪化が認められた時期は,一時的に肝機能が悪化して血清トランスアミナーゼ値が上昇してからピークを形成し,約1〜4か月後であった。今回の結果から,生体の自然防御機構ないしはIFN投与に伴う治癒過程により,HCV感染肝細胞が崩壊し,循環血液中にHCVが逸脱後に免疫複合体が形成されて網膜症を発症する機序が考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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