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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻3号

1994年03月発行

文献概要

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

らいの失明原因

著者: 岡野美子1 松尾信彦1 吉野美重子2 奥田観士3

所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室 2国立療養所邑久光明園眼科 3国立岡山病院眼科

ページ範囲:P.291 - P.293

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 片眼もしくは両眼失明しているらい患者100例の失明原因について検討した。年齢は,55〜91歳の平均75歳であった。類結核型は3例のみで,らい腫型は93例,4例はそれ以外の型であった。僚眼も視力不良例が多く認められた。失明時期は,多くの症例が1945〜1955年の間であり,らいの化学療法が施行される以前に眼症状が悪化したと考えられた。失明原因には,虹彩毛様体炎が最も関与していた。この虹彩毛様体炎は,皮膚かららい菌が検出されなくなってからも,沈静と再発を繰り返していた。虹彩毛様体炎と兎眼性角膜炎が,今後の視力維持の重要な問題点であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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