臨床眼科48巻3号

1994年03月発行

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集（1） 学会原著

血液透析患者のシルマー検査成績

著者： 星野美佐子¹ 太根節直¹ 星野照夫² 石田尚志²

所属機関： ¹聖マリアンナ医科大学眼科学教室 ²聖マリアンナ医科大学第一内科学教室

ページ範囲：P.295 - P.297

　血液透析患者49例（うち糖尿病患者23例）98眼にシルマーテストI法の変法を行い，涙液の基礎分泌を測定した。また，自律神経障害の指標を示す心電図CV_R-R％（以下％CV），眼底所見，血清クレアチニン値およびHbA_1cを検査し，シルマー値と比較検討した。
　血液透析患者の平均涙液基礎分泌は6,94mmと低下を示していた。このうち，涙液基礎分泌が5mm以下は，非糖尿病患者群24眼（46％），糖尿病患者群は31眼（67％）と糖尿病患者群に多かった。
　血液透析患者の％CVは1.53％と低下を認めた。糖尿病患者群では％CVとシルマー値に相関関係（r＝0.491,P＜0.05）を認めたが，非糖尿病患者群の％CVとシルマー値に相関関係を認めなかった。
　シルマー値とクレアチニン値の間に相関関係を認めなかった。シルマー値とHbA_1cの間に相関関係を認めなかった。