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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻3号

1994年03月発行

文献概要

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

ぶどう膜炎と続発性緑内障を認めた胸肋鎖骨過形成症の1例

著者: 山田利津子1 小松章1 筋野哲也1 戸松暁美1 太根節直1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.309 - P.312

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 胸肋鎖骨過形成症は胸骨,肋骨,鎖骨に異常骨化をきたす自己免疫疾患と考えられているが,これまで眼合併症の報告は知られていない。症例は59歳男性。前胸壁の疼痛・腫脹を主訴とし,CRP, ALP,赤沈,血清 IgG, lgA,抗核抗体の上昇が認められ,胸部X線で胸肋鎖骨の著明な肥厚,骨シンチグラムで RIの集積像が認められ,胸肋鎖骨過形成症と診断された。眼科的には両眼に軽度の前房混濁,角膜後部沈着物等の前部ぶどう膜炎の所見を認め,眼圧右18mmHg左33mmHg,左眼隅角は Shaffer II,pigment II,虹彩前癒着を認めた。左眼乳頭に緑内障性陥凹を認め,左眼視野は鼻側階段を認め,左眼続発性緑内障が考えられた。HLAはB52, B61, Cw3, DR2, DR12が陽性であり,仙腸関節の異常も認められた。本疾患の病因については,免疫異常をはじめ多方面からの検討が必要であることが考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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