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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻3号

1994年03月発行

文献概要

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(1) 学術展示

初感染と考えられたヘルペス性結膜潰瘍(結膜ヘルペス)の1例

著者: 姚玉峰1 井上幸次2 下村嘉一1 細谷比左志1 加瀬哲男3

所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室 2大手前病院眼科 3大阪府立公衆衛生研究所ウイルス科

ページ範囲:P.326 - P.327

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 緒言 角膜ヘルペス患者では時に結膜にも樹枝状,地図状の潰瘍が合併することが知られており,わが国では結膜ヘルペスとよばれている1〜2)。これとは別にヘルペス性結膜炎という用語があるが,ヘルペス感染によって生じる濾胞性結膜炎のことを指している。結膜ヘルペスはヘルペス性結膜炎とは別の病態であり,混乱を避ける意味でヘルペス性結膜潰瘍と命名した方がよいかもしれない。ヘルペス性結膜潰瘍では潰瘍部よりヘルペスウイルス(以下HSV)が分離されることが報告されており1〜3),角膜における樹枝状角膜炎・地図状角膜炎と同様に,結膜上皮においてウイルスが増殖している病態と考えられる。なお,従来の報告はほとんどが再発例における発生である。
 初感染のヘルペス性結膜炎におけるヘルペス性結膜潰瘍の発生については成書にも記載されているが,初感染であることの根拠が明確でかつウイルスの分離同定がなされている報告は見当たらない4〜6)。今回筆者らはウイルスの分離同定,血清抗HSV抗体価の測定により初感染と考えられるヘルペスでヘルペス性結膜潰瘍を発生した症例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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