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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻3号

1994年03月発行

文献概要

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(1) 学術展示

眼圧上昇を契機に発症したと考えられるLeber病の1例

著者: 高山淳1 大平明彦1 吉岡敦1 杉浦毅1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.398 - P.399

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 緒言 Leber病は重篤な視力低下をきたす両眼性の遺伝性視神経疾患として知られており,その病因についてもミトコンドリアDNA (以下mt-DNA)遺伝子の変異が発見されることにより徐々に明らかにされつつある。しかし,単に遺伝的要因だけでなく,何らかの誘発因子が存在する可能性は以前から指摘されている。例えばNewmanら1)は全身疾患,栄養障害,ミトコンドリアエネルギー産生に毒性のある物質を,Wilsonら2)はタバコ,アルコール摂取によるシアン化合物の蓄積を誘因として唱えている。本邦でも頭部外傷が誘因となった症例がいくつか報告されている3)
 今回筆者らは両眼に高度の眼圧上昇をきたし,その後急激な視力低下をもって発症したLeber病の症例を経験した。その発症に高眼圧の関与が考えられるので,他に同様の報告例はないが,本症の発症機転をさぐるうえで貴重な症例と考え報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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