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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻3号

1994年03月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

脈絡膜転移性乳癌の胞状網膜剥離に対する光凝固治療例

著者: 佐藤明彦1 鈴木純一1 関根伸子1 中川喬1 大庭滋理2

所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室 2札幌医科大学第一外科学教室

ページ範囲:P.423 - P.427

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 網膜剥離を伴った乳癌の脈絡膜転移例を報告した。38歳の女性で3年前に右乳癌で非定型右乳房切除術を受けている。右眼上鼻側に脈絡膜腫瘍と胞状網膜剥離を認めた。病変部はフルオレセイン螢光眼底造影では点状過螢光と網膜下螢光貯留を示し,インドシアニングリーン赤外螢光眼底造影では低螢光を示した。脳,肺,縦隔リンパ節にも腫瘍を認め,本症例を乳癌の転移性脈絡膜腫瘍と診断した。治療は全身的には化学療法を施行し,脈絡膜転移巣に対しては光凝固術を施行した。治療後,腫瘍部からの螢光漏出と漿液性網膜剥離は消失し,脈絡膜転移巣はMRIでも消失を認めた。他の転移巣も現在まで13か月の間増悪を認めていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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