icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻3号

1994年03月発行

文献概要

臨床報告

小切開創白内障手術後の角膜形状解析

著者: 征矢耕一1 大矢智博2 大鹿哲郎2 宮田和典2 江口秀一郎2 徳永忠俊3

所属機関: 1旭中央病院眼科 2東京大学医学部眼科学教室 3宮田眼科病院

ページ範囲:P.429 - P.435

文献購入ページに移動
 小切開創白内障手術後の角膜形状変化を,角膜形状解析装置を用いて検討した。対象は切開創幅5mmのインフィニティー(∞)縫合群21眼と,同じく切開創幅5mmの無縫合群20眼である。
 ∞縫合群では,術後早期(1週)に切開創に相当する45°−135°方向にsteep化(角膜屈折力の増加)が生じ,その後垂直方向の強いflat化(角膜屈折力の減少)と水平方向の強いsteep化が生じた。この原因は,縫合による直乱視化と考えられた。無縫合群では,術直後に90°方向最周辺部のflat化が生じたが,その他の部位には大きな変化はみられなかった。術後中長期においては,90°方向最周辺部のflat化を代償する形で,角膜全体の軽微な倒乱視化が生じた。無縫合群におけるこれらの変化は,∞縫合群に比べて小さく,角膜形状は早期に安定する傾向にあった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?