icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻3号

1994年03月発行

文献概要

臨床報告

後部硝子体剥離に伴い軽快した糖尿病黄斑浮腫の1例

著者: 五味文1 恵美和幸1 本倉雅信1

所属機関: 1大阪労災病院

ページ範囲:P.437 - P.440

文献購入ページに移動
 筆者らは,糖尿病黄斑症の経過中,後極部での部分的な後部硝子体剥離が生じるとともに黄斑浮腫が急速に軽減した53歳男性の糖尿病網膜症症例を経験した。本症例はまもなく左眼に硝子体出血と牽引性網膜剥離を併発し,再度の視力低下をきたしたため,硝子体手術を行った。術中,肥厚した後部硝子体膜は中心窩に強固に癒着しており,これを切除し完全な後部硝子体剥離を作成した。術後は網膜症そのものも鎮静化し,現在まで黄斑浮腫の再発をみていない。この症例の経過から,硝子体手術による完全な後部硝子体剥離の作成は黄斑浮腫に対する積極的治療法となる可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?