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臨床報告
多彩な前眼部症状を呈したrosacea keratitisの1例
著者: 生駒尚秀1 北川和子1
所属機関: 1金沢医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.441 - P.444
文献購入ページに移動 右眼の羞明,充血,眼脂,疼痛を主訴に来院した酒皶性角膜炎の1例を経験した。症例は26歳,男性。近医で3年前より角膜炎として治療を受けていた。受診時の視力は右0.15(矯正不能),左1.0(矯正不能)。両眼瞼縁の発赤,結膜充血,輪部血管の拡張,パンヌス形成,びまん性表層角膜炎がみられた。右眼角膜には下方に限局性の混濁と後部円錐角膜様の菲薄化,白色の浸潤巣がみられた。鼻尖部皮膚に毛細血管の拡張,紅斑があり,皮膚科的に酒皶と診断された。局所からの細菌培養は陰性であった。オフロキサシン点眼,および同軟膏の投与,塩化リゾチーム点眼,ミノサイクリンの内服などで角膜所見は約1か月で軽快し,その後現在まで3年間,再発を認めていない。
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