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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻3号

1994年03月発行

文献概要

臨床報告

ステロイド離脱が困難であったヘルペス性角膜ぶどう膜炎の1症例

著者: 森康子1 本倉真代2 坂本信一2 西川憲清2

所属機関: 1行岡病院眼科 2大阪警察病院眼科

ページ範囲:P.445 - P.448

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 ステロイド(局所)離脱が困難であったヘルペス性角膜ぶどう膜炎の1例を報告した。症例は60歳の男性で,右眼充血,疼痛を自覚し,当科を受診した。前眼部所見として毛様充血,角膜実質の浮腫とデスメ膜皺襞,また高度な虹彩炎を認めた。既往,および臨床所見よりヘルペス性角膜ぶどう膜炎と診断し,アシクロビル眼軟膏とステロイドの局所および全身投与により病変は治癒したが,ステロイド(局所)中止により,再燃を繰り返した。ヘルペス発症1年半後,グロブリン製剤と低濃度のステロイド点眼併用投与によりステロイド離脱に成功した。実質型ヘルペスおよびヘルペス性角膜ぶどう膜炎に対する全身および局所的ステロイド療法は初回投与としてできるだけ低濃度のステロイドを投与すべきであり,またステロイド点眼は漸減しながら2,3か月を目処に中止することが重要であると考えられた。ウイルス抗原の早期除去にはグロブリン製剤の併用投与が有効であると示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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