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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻3号

1994年03月発行

文献概要

臨床報告

Xanthomonas maltophiliaによる眼内レンズ挿入術後眼内炎

著者: 佐藤泰広1 江口秀一郎1 高尾宗之1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.449 - P.453

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 Xanthomonas maltophiliaによる眼内レンズ挿入術後眼内炎の1例を報告した。糖尿病を有する70歳男性で,日帰り手術にて超音波水晶体乳化吸引術および眼内レンズ挿入術を施行後経過良好であったが,術後13日目から前房蓄膿を伴う眼内炎を生じた。抗生物質投与に加え,早期に眼内レンズ摘出術および硝子体切除術を行い,良好な経過を得た。術中に得られた硝子体液,前房水,摘出眼内レンズの培養検査でXanthomonas maltophiliaによる感染が証明された。本菌による眼内レンズ挿入術後眼内炎の報告は過去にない。本菌はグラム陰性菌で,時に日和見感染を起こす弱毒菌であるが,ヒビテン消毒に対し抵抗性を示す。今後高齢者や糖尿病などの全身疾患を合併する易感染性患者の術後眼内炎においては,本菌を含めた弱毒菌眼内炎を考慮する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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