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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻3号

1994年03月発行

文献概要

臨床報告

赤外螢光造影による網膜血管透過性

著者: 飯田知弘1 村岡兼光1 田中隆行1 萩村徳一1 高橋慶1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.473 - P.479

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 糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症など網膜血管病変のある75眼を対象として,インドシアニングリーン(ICG)を用いた赤外螢光眼底造影を行い,フルオレセインによる螢光眼底造影所見と対比した。その結果,ICGでは,病的な網膜血管からの色素の血管外への透過が,フルオレセインよりも格段に弱く,かつ低頻度であった。新生血管からICGの螢光漏出があったのは91個中14個で,ほとんどが新生血管網の先端部からであった。毛細血管瘤や粟粒血管瘤では,螢光漏出を示す頻度が低く,拡張した網膜主幹静脈からの螢光漏出はなかった。一般的な傾向として,lCGの漏出の程度はフルオレセインよりも弱く,漏出を示すまでには時間を要した。ICG螢光造影で螢光漏出がある場合は,網膜血管壁に強い障害があることを示しており,網膜血管壁の機能障害をフルオレセイン螢光造影とは異なった尺度で評価できると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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