文献詳細
臨床報告
文献概要
1978年〜1990年に,広島大眼科緑内障外来の再診患者のうち,原発閉塞隅角緑内障(PACG)および原発開放隅角緑内障(POAG)と診断された患者について外来治療費を再診料,検査料,薬剤料に分けて計算した。
PACGでは,1978年の緑内障外来治療費は患者あたり1年間で28,740円で,そのうち薬剤料はわずか1,260円であった。ところが1981年から交感神経β—遮断薬が使用されるようになると,1985年には外来治療費は88,190円と大幅に増加し,特に薬剤料は42,140円と著明に増加した。POAGも同様で,特に薬剤料は1978年には5,460円であったが,1985年には55,770円と増加した。薬剤料に占めるβ—遮断剤の割合は1985年,1990年とも70%以上であった。緑内障の潜在患者は多く,今後,緑内障治療費の増加が予想され,治療に際してcost-benefitを考慮する必要がある。
PACGでは,1978年の緑内障外来治療費は患者あたり1年間で28,740円で,そのうち薬剤料はわずか1,260円であった。ところが1981年から交感神経β—遮断薬が使用されるようになると,1985年には外来治療費は88,190円と大幅に増加し,特に薬剤料は42,140円と著明に増加した。POAGも同様で,特に薬剤料は1978年には5,460円であったが,1985年には55,770円と増加した。薬剤料に占めるβ—遮断剤の割合は1985年,1990年とも70%以上であった。緑内障の潜在患者は多く,今後,緑内障治療費の増加が予想され,治療に際してcost-benefitを考慮する必要がある。
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