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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

メチシリン耐性黄色ぶどう球菌による術後眼内炎の1例

著者: 尾上晋吾1 宮崎茂雄1 岩崎嘉秀1 杉浦雄介1 下奥仁1

所属機関: 1兵庫医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.539 - P.542

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 90歳の男性。水晶体嚢外摘出術と人工水晶体挿入術後に,メチシリン耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)による眼内炎が生じた。術後4日目に豚脂様角膜後面沈着と前房内のフィブリン反応が生じ,6日目には,角膜輪部に手術創につながる角膜浸潤巣や前房蓄膿が出現した。眼痛や眼瞼結膜浮腫はなく,前眼部の刺激症状は乏しかった。細菌性眼内炎が疑われ,前房洗浄と硝子体切除,部分的後嚢切除を行った。術中得られた角膜後面白色塊状物と前房中のフィブリン塊からMRSAが検出された。感染経路は不明であった。イミペネムとミノサイクリンの2剤併用を行い,眼内炎は消退した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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