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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

内頸動脈循環不全における眼所見—網膜動脈閉塞症について

著者: 別府英明1 井上正則1 文順永2 坂井智代2

所属機関: 1神戸大学医学部眼科学教室 2加古川市民病院眼科

ページ範囲:P.557 - P.560

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 網膜動脈閉塞症は一般に高齢者の片眼に突発し,原因としてアテローム性血管変化など全身性の疾患が関与していることが多い。そのなかで内頸動脈アテロームは近年増加しつつあり,その急性所見として網膜動脈閉塞症を発生する。今回,筆者らは,内頸動脈循環不全を基礎疾患に持つ網膜動脈閉塞症の5症例を経験した。5症例中4症例はコレステリンプラークの所見,脳梗塞,一過性黒内障発作の既往などから塞栓による機序が最も考えられた。2症例において虹彩ルベオーシスが発症したが,いずれも網膜動脈閉塞症発症後であり著明な眼圧上昇は認めなかった。眼血流の急速な低下など,塞栓以外の機序による可能性も否定できないが,今後の検討が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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