文献詳細
特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(2)
学会原著
文献概要
脈絡膜の観察にはフルオレセイン螢光眼底造影(以下FAG)よりインドシアニングリーン赤外螢光眼底造影(以下IA)が優れている。FAGでのぶどう膜炎の観察では主に網膜と視神経の状態をとらえているにすぎない。今回筆者らは原田病の2症例にトプコン社製50IAを用いてIAを施行した。FAGでは不明であった脈絡膜中大血管像の減少と脈絡膜中大血管からの螢光漏出を認め,経過を追うことができた。前者は炎症産物によるブロックによると考えられ,臨床像の回復とともに改善した。後者は脈絡膜中大血管の障害が起きていることを示し,一部残存した。これよりIAは原田病の経過観察と治療効果の判定に有用であると考えた。
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