文献詳細
特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(2)
学会原著
文献概要
ゴールドマン圧平眼圧計による眼圧測定で21mmHg以上の高眼圧が検出された40例66眼の甲状腺眼症に対してCTスキャンによる眼窩水平断,冠状断の撮影を行った。対象66眼中60眼(91%)では少なくとも1筋以上の筋肥大を認めた。対象の眼圧(平均24.0±3.0mmHg)は筋肥大のない25例25眼の平均眼圧(17.1±2.4mmHg)に比べ明らかに高値を示した(p<0.01)。筋肥大を認めた60眼では下直筋,上直筋のいずれかまたは両者の肥大があった。正面位での眼圧(平均23.4±4.6mmHg)が下方視(平均19.1±3.1mmHg)に比べ明らかに高値を示した(p<0.01)ことから,外眼筋肥大がもたらす垂直方向の眼球運動障害と高眼圧に関連があることが推定された。
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