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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

嚢性緑内障に対する隅角光凝固術の効果

著者: 早見宏之1 新田耕治1 福尾吉史1 武田憲夫1 窪田靖夫1

所属機関: 1富山医科薬科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.587 - P.590

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 点眼治療のみでは眼圧コントロールが不良な嚢性緑内障13例18眼に対し,lasertrabeculoplasty (LTP)を行って,眼圧下降効果,合併症,視野変化などについて,同様に行った原発開放隅角緑内障14例18眼の結果と比較した。照射は隅角1/4周に25〜30発,50μm,出力500〜600mW,時間0.1秒で行った。LTP術後の生命表法による眼圧コントロール確率は嚢性緑内障群で89%(30か月),原発隅角開放緑内障群で69%(36か月)であった。LTPは中出力の照射でも,特に視野変化の軽い高齢者の嚢性緑内障には有効であり,点眼治療のみで眼圧下降が不十分な場合には,観血的手術に先立って試みてよい治療である。しかし,視野変化の進行例への適用には慎重でなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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