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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻4号

1994年04月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

輪部から発生した再発性角膜上皮混濁の1例

著者: 宇野敏彦1 大橋裕一1 井上幸次2 姚玉峰3 石井康雄4

所属機関: 1愛媛大学医学部眼科学教室 2大手前病院眼科 3大阪大学医学部眼科学教室 4新川橋病院

ページ範囲:P.709 - P.713

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 角膜上皮の幹細胞は輪部に存在し,輪部から供給された上皮細胞は角膜中央部に向かって移動するとされている(XYZ理論)。このような角膜上皮細胞の維持に関して示唆を与えてくれる症例を経験した。症例は33歳男性。初診時,右眼に特異な形態をした角膜上皮混濁を認め,その一部は2時方向の輪部に達していた。混濁上皮を擦過したが,2年後には初診時と同じ形態で再発していた。再度擦過したが,その後,輪部より混濁上皮が角膜中央部に移動するのが認められた。混濁上皮は組織学的には細胞壊死の状態であった。混濁上皮の動きは,恒常状態の角膜上皮細胞の動態をある程度反映したものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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