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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻4号

1994年04月発行

文献概要

臨床報告

網膜中心動脈閉塞症の病型と視力予後

著者: 萩村徳一1 岸章治1 飯田知弘1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.715 - P.719

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 網膜中心動脈閉塞症22眼で,視力の予後につき眼底所見,初診までの時間,治療効果について検討した。追跡期間は,最短1か月,最長15か月,平均5.1か月であり,視力は,初診時,終診時ともに2峰性の分布をしていた。最終視力が0.01以下であった群では,全例が初診時に網膜に著明な混濁があった。最終視力が0.4以上であった群では,初診時に混濁の程度が軽いか,または軟性白斑が多発していた。初診までの時間と治療内容については両群に差異はなかった。本症の視力予後にもっとも関係する要素は網膜虚血の程度,すなわち初診時視力であり,初診時に0.1以上の群では最終視力が良好であった。初診時に軟性白斑が多発していた症例では,網膜動脈の閉塞の程度が軽度であると推定され,視力予後は良好であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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