icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻4号

1994年04月発行

文献概要

臨床報告

高度な下眼瞼外反症2例の手術経験

著者: 籠谷保明1 中橋康治1 井上正則1 田原真也2

所属機関: 1神戸大学眼科学教室 2神戸大学耳鼻咽喉科学教室形成外科診療班

ページ範囲:P.759 - P.762

文献購入ページに移動
 2例の高度な下眼瞼外反症に形成手術を行った。1例は加齢による両側の外反症で,他の1例は交通事故による下眼瞼裂傷後に生じた外反症であった。前者の右下眼瞼外反は中等度で,2か所で楔状切除を加える瞼板短縮術により良好な改善が得られた。同例の左下眼瞼外反は高度で,右同様の楔状切除でいったんは改善したが増悪し,耳介軟骨を用いた矯正術を行うことで外反は改善された。後者は受傷後の不適切な一期的縫合による瞼球癒着があり,約3か月間瞼板が反転した状態であった。支持組織の補填目的で耳介軟骨移植を行い良好な結果が得られた。このように外反程度が高度であり,支持組織の弛緩を伴った場合,今回用いた術式は有用であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?