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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻4号

1994年04月発行

文献概要

臨床報告

全層角膜移植術に対するシクロスポリン全身投与の効果

著者: 山上聡1 大矢智博2 水流忠彦3 小笠原勝則2 鈴木雅信2 豊原弘吉2 木村内子2 宮田和典2 佐藤孜2 澤充4

所属機関: 1JR東京総合病院眼 2東京大学医学部眼科 3東京大学医学部角膜移植部 4日本大学医学部眼科

ページ範囲:P.763 - P.767

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 拒絶反応ハイリスクと考えられる全層角膜移植術施行例24例26眼に対し,シクロスポリン全身投与の効果および副作用について検討した。投与は,術直後から1日5mg/kgを2週間,その後3mg/kgとして最低3か月以上行った。内皮型拒絶反応を起こしたものは投与中に1眼,投与中止後に1眼で,上皮型拒絶反応を起こした症例はなかった。副作用としては,一過性BUNまたはクレアチニン値上昇が6例,GOTまたはGPT値の上昇が4例,投与後とBUN上昇継続が1例あったが,重篤な副作用はなかった。シクロスポリン全身投与は,拒絶反応ハイリスク全層角膜移植例に対し,副作用に十分注意しつつ試みる価値があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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