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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻5号

1994年05月発行

文献概要

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

透析糖尿病患者に対する硝子体手術成績

著者: 島田宏之1 佐藤幸裕1 松井瑞夫1 瀬戸博美2

所属機関: 1日本大学医学部眼科学教室 2日本大学医学部第2内科学教室

ページ範囲:P.811 - P.815

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 透析患者18例26眼と,非透析患者102例136眼の増殖糖尿病網膜症に対して硝子体手術を行った。透析例,非透析例は,さらに網膜剥離群と非網膜剥離群の2群に分けて比較検討した。透析例の術後視力改善率は,非網膜剥離群で13眼中11眼(85%),網膜剥離群で13眼中4眼(31%)で,両群の間には有意差がみられた(P<0.02)。視力改善率は,透析例の非網膜剥離群(85%)と非透析例の非網膜剥離群(89%)の間に有意差はみられなかった。透析例では,網膜剥離群の6眼(46%)は最終的に失明したが,非網膜剥離群では失明例はなかった。手術後のフィブリン析出,血管新生緑内障,硝子体出血の発現率は,非透析例のほうが透析例より有意に少なかった。また,このような術後合併症は,透析例では,非網膜剥離群のほうが網膜剥離群より有意に少なかった。以上の結果から,透析例の非網膜剥離群は積極的な硝子体手術の適応となるが,透析例の網膜剥離群は予後不良のため積極的な手術適応とはならないと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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