文献詳細
特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(3)
学会原著
文献概要
眼内灌流液温度が白内障術後炎症に与える影響を調べるため,室温(20〜21℃),冷却(3〜4℃)の2種類の灌流液を無作為に使用し,術後炎症の指標として前房内細胞,前房内蛋白濃度をレーザーフレアセルメーターで測定し比較検討した。術前,術後に合併症のない群(室温27眼,冷却19眼),合併症を認めた群(室温7眼,冷却10眼)のいずれでも,術後1〜9日および14日,28日後の前房内細胞,前房蛋白濃度に室温,冷却による統計学的な有意差はなかった。白内障の術後炎症に関して,眼内灌流液を冷却しても,術後前房内炎症は軽減されなかった。
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