臨床眼科48巻5号

1994年05月発行

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集（3） 学会原著

無硝子体眼白内障に対する眼内レンズ挿入手術

著者： 内田英哉¹ 荻野誠周¹

所属機関： ¹愛知医科大学眼科学教室

ページ範囲：P.873 - P.876

　硝子体手術後の無硝子体眼白内障手術99例108眼に眼内レンズを挿入した。糖尿病網膜症53眼，糖尿病網膜症以外55眼。硝子体手術から白内障手術までの期間は21±14か月，術後経過観察期間は17±13か月。水晶体嚢外摘出術16眼水晶体超音波乳化吸引術92眼であった。術中併発症は，前房出血6眼，後嚢破損9眼，チン小帯離断3眼，核硝子体腔落下2眼，前房形成不良2眼術後併発症は，フィブリン反応24眼，虹彩後癒着15眼，一過性眼圧上昇8眼，網膜剥離1眼，後発白内障20眼，緑内障8眼，瞳孔偏位2眼，硝子体再手術を要した硝子体出血2眼を認めた。無硝子体眼白内障手術は，超音波乳化吸引術が術後併発症も少なく適していると考えられた。