臨床眼科48巻5号

1994年05月発行

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集（3）

学術展示

網膜静脈閉塞症に対するプロウロキナーゼ（GE−0943）による線溶療法—その1．投与量設定の検討

著者： 小川憲治¹ 張野正誉¹² 石本一郎¹ 田野保雄¹

所属機関： ¹大阪大学医学部眼科学教室 ²淀川キリスト教病院眼科

ページ範囲：P.948 - P.949

文献概要

　緒言　プロウロキナーゼ（Pro-Urokinase，以下Pro-UK）は組織プラスミノーゲンアクチベータ（t—PA）と同様にフィブリン親和性を有し，流血中では線溶作用をほとんど発揮せず，血栓形成部位でおもにその効果を発揮する新しい血栓溶解剤である。そして，同剤は急性心筋梗塞の血栓溶解に使用され，ウロキナーゼ以上の臨床効果が認められている^1）。しかし，網膜静脈閉塞症に対する臨床応用の報告はまだない。今回，Pro-UKを網膜静脈閉塞症症例に投与し，投与用量の検討を試みたのでここに報告する。