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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻5号

1994年05月発行

臨床報告

若年者にみられ多発性脳梗塞を伴った低眼圧緑内障の1例

著者: 児玉真知1 内海隆1 奥英弘1 菅澤淳1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.992 - P.994

文献概要

 無症候性脳梗塞を有する女性若年者例に発症したきわめてまれな低眼圧緑内障の1例を,循環障害説をあげながら報告した。症例は23歳女性。両眼の視力低下,視野欠損を主訴とし,緑内障性乳頭陥凹と視野異常の既往とともに来院。眼圧が終日16mmHg以下,開放隅角,視神経乳頭蒼白,水平上半盲(右>左)を呈しており,低眼圧緑内障と診断した。T2強調画像から多発性脳梗塞が見いだされたが,頭蓋内腫瘍は否定され,虚血性視神経症は螢光眼底所見などから否定された。オリゴクロナールバンド正常,Uhthoff test陰性,安定した症状などから多発性硬化症も否定された。発症要因からみると本例は若年例,女性,高血圧ならびに糖尿病がないことなどからきわめてまれな低眼圧緑内障の症例であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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