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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻5号

1994年05月発行

文献概要

臨床報告

強直性脊椎炎にみられた後部ぶどう膜炎

著者: 八塚秀人1 中塚和夫1 松尾健治1 松本惣一 セルソ1 古嶋尚1 阿部文英

所属機関: 1大分医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.1005 - P.1008

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 強直性脊椎炎の確実例にみられた後部ぶどう膜炎を経験した。症例は,40歳の男性でHLA-B27陽性を呈し,右眼の霧視・羞明を主訴に当科を受診した。視力は,右0.5,左1.2で,右眼硝子体中に微塵状混濁を認めた。検眼鏡所見では,右眼に黄斑浮腫と網膜静脈の拡張を認めたが,左眼に異常はなかった。螢光眼底造影では,右眼に網膜血管炎の所見とともに,多発性の点状過螢光が数多く認められた。硝子体螢光濃度測定にて血液網膜棚の機能障害が観察され,網膜色素上皮の障害が考えられた。これらの所見はステロイドの大量療法により改善し,右眼視力も1.2へ回復した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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