icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻5号

1994年05月発行

臨床報告

特発性頸動脈海綿静脈洞瘻に脈絡膜剥離を合併した1症例

著者: 白瀧美詠子1 島川眞知子1

所属機関: 1国立国際医療センター眼科

ページ範囲:P.1009 - P.1013

文献概要

 原因不明の片眼の充血・眼球突出・網膜静脈閉塞様出血・脈絡膜剥離が,きわめて徐々に出現した症例を経験した.検査の結果,特発性頸動脈・海綿静脈洞瘻(以下CCF)が発見され,眼症状がこれによるものと判明した.これらの症状はシャント血管の塞栓術により急速に改善した.
 特発性CCFは外傷性CCFに比べて稀で,シャント血液量が少ないため,症状が軽く,経過も慢性で診断がつけにくく,見逃されやすい.また,脈絡膜剥離は特発性CCFにはまれな合併症であり,本邦ではあまり知られていない.脈絡膜剥離の原因のひとつにCCFを念頭におくべきことを示唆する貴重な症例と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら