文献詳細
臨床報告
文献概要
原因不明の片眼の充血・眼球突出・網膜静脈閉塞様出血・脈絡膜剥離が,きわめて徐々に出現した症例を経験した.検査の結果,特発性頸動脈・海綿静脈洞瘻(以下CCF)が発見され,眼症状がこれによるものと判明した.これらの症状はシャント血管の塞栓術により急速に改善した.
特発性CCFは外傷性CCFに比べて稀で,シャント血液量が少ないため,症状が軽く,経過も慢性で診断がつけにくく,見逃されやすい.また,脈絡膜剥離は特発性CCFにはまれな合併症であり,本邦ではあまり知られていない.脈絡膜剥離の原因のひとつにCCFを念頭におくべきことを示唆する貴重な症例と考える.
特発性CCFは外傷性CCFに比べて稀で,シャント血液量が少ないため,症状が軽く,経過も慢性で診断がつけにくく,見逃されやすい.また,脈絡膜剥離は特発性CCFにはまれな合併症であり,本邦ではあまり知られていない.脈絡膜剥離の原因のひとつにCCFを念頭におくべきことを示唆する貴重な症例と考える.
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