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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻5号

1994年05月発行

文献概要

臨床報告

超広角赤外螢光造影による糖尿病性派絡膜症の検索

著者: 高橋京一1 村岡兼光1 得居賢二1 須藤憲子1 町田史子1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1027 - P.1037

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 正常眼脈絡膜血管構築と糖尿病性脈絡膜症の検索を目的として,正常眼12眼と糖尿病網膜症47眼に対して,走査型レーザー検眼鏡によるインドシアニングリーン(以下ICG)赤外螢光眼底造影を施行した。画角40°のビデオプリントを貼り合わせ,超広角パノラマの脈絡膜造影図を作成して検討した。
 正常眼では,脈絡膜静脈の走行は,乳頭を通る水平および垂直線で区切られる領域から開始され,渦静脈に流入した。渦静脈は通常5〜10個存在した。赤道部では眼底を放射状に走行する動脈像が観察された。脈絡毛細管板はびまん性のベール状螢光として検出され,その螢光は後極部で強く周辺部では弱かった。造影後期になると眼底全域で脈絡膜間質へ弱いICG漏出が起こった。糖尿病網膜症では,脈絡膜静脈のコントラスト低下,脈絡膜静脈数の減少,狭細化,脈絡膜動脈壁の色素染,局所的な色素漏出,脈絡毛細管板の部分的閉塞が観察された。
 本方法は,糖尿病性脈絡膜血管障害の解明に有用であると結論された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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