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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻6号

1994年06月発行

文献概要

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

間質性腎炎とぶどう膜炎を合併した2例

著者: 木村仁1 野呂瀬一美1 天谷次郎1 千葉美和子1 瀬川雄三1

所属機関: 1信州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1085 - P.1089

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 間質性腎炎にぶどう膜炎を合併した2症例を経験した。症例1は10歳の女児で,両眼の毛様充血,前房中の細胞微塵を認めた。右眼は硝子体混濁,視神経乳頭の発赤腫脹,網膜血管炎があり汎ぶどう膜炎であった。同時に,腎機能障害を認め,腎生検にて間質性腎炎と診断された。症例2は62歳の女性で,左眼前房にフィブリン塊の析出を伴う前部ぶどう膜炎を認めた。さらに,尿中β2ミクログロブリン,N—アセチルβ—D—グルコサシニダーゼの高値を認め間質性腎炎が強く示唆された。腎機能障害は症例1はステロイド療法により,症例2は対症療法にて軽快した。ぶどう膜炎は2症例とも再燃はみられたがステロイド療法にて改善傾向を示した。眼所見と腎機能,血清補体価およびIgG値などの変動が一致していた。本2症例の臨床経過より,腎尿細管障害とぶどう膜炎との強い関連が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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