文献詳細
特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(4)
学会原著
文献概要
1992年10月から7か月間に受診した患者のうちから無作為に抽出した308例に細隙灯および隅角鏡検査を行い,両眼性35例,片眼性40例が後部胎生環と診断された。合併眼先天異常は強角膜症5例,家族性滲出性硝子体網膜症2例,視神経乳頭黒色細胞腫,脈絡膜母斑および結膜デルモイドが各1例あった。合併全身先天異常はAlagille症候群2例,Wilson病およびempty sella症候群が各1例みられた。合併した眼および全身の先天異常には,神経堤細胞の異常に基づく形成異常が含まれていた。後部胎生環の症例では全身および眼の先天異常を伴うことがあり,日常臨床上見過ごさないように注意すべきである。
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