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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻6号

1994年06月発行

文献概要

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

先天聾,immotile cilia syndromeなど多彩な合併症を伴った先天緑内障の1例

著者: 嵩義則1 本多あかね1 雨宮次生1

所属機関: 1長崎大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1137 - P.1140

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 症例は23歳の女性。生下時より両眼に角膜混濁があり先天緑内障と診断され,両眼に虹彩切除を施行されている。全身的には幼少時からimmotile ciliaによるものとされる慢性副鼻腔炎,慢性中耳炎,気管支拡張症のほか,神経堤細胞の移動異常と考えられる耳小骨の欠損,眉毛過多,鼻根部低形成,偽両眼隔離症,前房隅角の発育異常を認めた。神経堤細胞の移動に線毛運動が関係する可能性があり,本症例の一連の症候は線毛運動不全に基づく神経堤細胞の胎生期における移動異常によるものと推察された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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