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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻6号

1994年06月発行

文献概要

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

免疫グロブリン製剤全身投与により急性毛様体浮腫から続発閉塞隅角緑内障を生じた1例

著者: 戸部隆雄1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1141 - P.1144

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 免疫グロブリン製剤投与により,急性に一過性浅前房,近視化,続発閉塞隅角緑内障を生じ,急性毛様体浮腫によると思われた1例を報告した。症例は,39歳,男性で,再生不良性貧血に対して免疫グロブリン製剤(アールブリン®)投与後,次第に増強する両眼の霧視をきたしたので,当科を受診した。両眼の急性近視化をみ,浅前房で,眼圧は右45mmHg,左42mmHgであった。両眼レーザー虹彩切開術を行ったが,無効であった。免疫グロブリン製剤の投与を中止し,副腎皮質ステロイド剤の内服を行ったところ,前房は次第に深くなり,諸症状はすべて改善した。本症例は,ウマ血漿が原料である抗ヒトリンパ球ウマ免疫グロブリンによる局所アレルギーから急性毛様体浮腫を生じ,それによる浅前房,近視化,閉塞隅角緑内障を発症したと考えられた。製造元の副作用報告から,この副作用発生はかなり高い頻度と思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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