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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻6号

1994年06月発行

文献概要

特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(4) 学術展示

Infectious crystalline keratopathyが疑われた角膜移植眼の2例

著者: 細谷比左志12 牧野勲1 下村嘉一1 井上幸次3 大橋裕一4

所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室 2カリフォルニア大学デービス校医学部眼科 3大手前病院眼科 4愛媛大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1164 - P.1165

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 緒言 Infectious crystalline keratopathyは,1983年にGorovoy1)が最初に報告し,1984年にMeislerら2)がその特徴的所見から命名した比較的新しい疾患概念である。この疾患は,角膜実質表層から中層にかけて,結晶様または羽毛状と表現される特徴的な白色の混濁が拡がる一種の感染症で,進行は非常に遅く,炎症所見はほとんどないか,あったとしてもごくわずかである。また,ほとんどの症例が角膜移植後か,あるいはステロイド剤の長期点眼中であるなど,局所免疫低下状態をベースに持ち,角膜抜糸や上皮欠損を契機として発症する。抗生物質治療に反応しにくい。過去の報告では,角膜実質内にStreptococcus viridans2),Haemophilus aphrophilus3)などの弱毒菌の集簇がみられている。現在までに,欧米を中心として41例の報告があるが,筆者らの知る限り,本邦ではまだ報告されていない。今回,infectious crystalline keratopathyと臨床的に診断できる症例を2例経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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