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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻6号

1994年06月発行

文献概要

臨床報告

急性後部多発性斑状網膜色素上皮症様眼底を呈した—原田病の1例

著者: 近藤照敏1 村川祐子1 河合江実1 稲本裕一1 西川睦彦1 山岸和矢1

所属機関: 1関西医科大学附属香里病院眼科

ページ範囲:P.1261 - P.1263

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 片眼は原田病の典型的な網膜剥離を示し,他眼は急性後部多発性斑状網膜色素上皮症様眼底を示した1症例を経験した。症例は48歳女性。右眼視力低下を主訴として当科受診。右眼には視神経乳頭周囲から黄斑部にかけて網膜剥離があり,左眼には黄斑部に散在性の黄白色斑をみたが,網膜剥離はなかった。螢光造影で,右眼は脈絡膜から網膜下へと螢光色素の旺盛な漏出があった。左眼は造影早期には後極部に斑点状の低螢光病巣が多数みられ,造影後期にはそれらは斑状の過螢光を示した。左眼は原田病の早期でまだ網膜剥離をきたさない状態であり,脈絡膜循環障害の所見が主体となって急性後部多発性斑状網膜色素上皮症類似の所見を示したものと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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