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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科48巻6号

1994年06月発行

文献概要

臨床報告

太田母斑に合併した脈絡膜悪性黒色腫の1例

著者: 太田浩一1 野呂瀬一美1 王笑春1 野原雅彦1 瀬川雄三1 徳島忠弘2 米山穣二2 中山淳3

所属機関: 1信州大学医学部眼科学教室 2飯田市立病院眼科 3信州大学医学部付属病院中央検査部

ページ範囲:P.1285 - P.1290

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 太田母斑に合併した稀な脈絡膜悪性黒色腫の症例を報告した。患者は71歳の女性で,左眼周囲の皮膚に色素沈着が認められた。細隙灯検査で上強膜,前房隅角,虹彩の色素沈着が認められ,眼底に色素を有する隆起病変が存在した。螢光眼底造影検査および超音波検査では悪性腫瘍と考えられた。CT検査で高吸収域の腫瘍病変が認められた。T1強調の核磁気共鳴画像検査(T1)ではわずか高信号域に,T2強調画像(T2)では低吸収域として認められた。ガリウムおよび脳血流シンチグラフィーでは異常集積を認めなかった。左眼の眼球摘出術を施行した。病理組織学的にメラニン色素の少ない類上皮細胞型の脈絡膜悪性黒色腫と診断された。虹彩,前房隅角,毛様体,脈絡膜,強膜には色素を有するメラノサイトを認めた。悪性化の可能性があるため,太田母斑を有する患者は定期的な診察が必要と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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